2011年06月10日
小林さんの草履
7年前に亡くなった私の尊敬する職人の一人だった、草履職人の
小林敏一さんの作った草履の修理依頼がありました。
小林さんの草履の特徴は市販の草履と違って、底の革を縫ってあるのが特徴です。
小林さん本人もそこにはこだわっていたようです。
小林さんからは生前色々な話を聞かせて頂きました。丁稚時代の苦労話。また、
徴兵されて、生きて戻るつもりもなかったので、道具を全部仲間にあげてしまった事。
東京大空襲で親方をなくした事。草履のことを、もう少し聞いておけばよかったと思っています。
そんな小林さんの作った草履のカカトの部分を交換しました。
70年以上、草履を作り続けた職人の仕事です。他は何ともなっていません。
小林さんの草履をはいている方の話では、一度、小林さんの草履を履いてみると
他の草履は履けないというほど、履きやすいそうです。
大先輩を偲びつつ、草履を修理した私でした。
Posted by キミ at 00:36
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